山と海。自然豊かな環境。心も体もデトックスしてみませんか?
東京駅からバスと電車で2時間以内。都会にも近い第3の故郷。
地のもの・ひと・ことと出会う旅。
最初に訪れたのは、富津市南部の観光地にある鋸山ロープウェー。
ビビッドな黄色ロープウェーに乗って山頂を目指します。
5分で目に広がる景色は変わり、鋸山のごつごつとした石が見える山のふもとに到着。
山頂駅に着いたらすぐ、炭火で焼かれたお団子が!!
はい。「花より団子」です!
お団子にはプレーンの白餅をはじめ、さくら、紫いもなどお団子の味も選びながら、たれもお好みで選べます。麦味噌やみたらし推しのようですが、実はあんこもありました。
団子はぷるんとしたもっちり感。たれとの相性もよく美味しい…。
これ1本でこれから向かう山歩きにも満足な食べ応え。満足!
あいにくの曇り空で東京湾観音は見れませんでしたが、空が高く、山の緑の深さや東京湾や船、漁港の様子が一望できて気持ちはすっきり。
晴れていると、富士山や横浜のランドマークが一望できるらしい!
山を下って1300年前に開かれた歴史ある「日本寺」へ。歴史的な名僧も修行に訪れたそう。
奥に有名な「百尺観音」や「地獄覗き」があります。
曹洞宗の道場でもあるので、座禅体験もできる。「山の上での座禅!」いつもとは違う体験になりそうなので、次回は必ずやってみたい!
ちなみにご朱印もいただけるので、ご朱印帳をお持ちの方は是非コレクションに加えて。
百尺観音の直前に2,30メートルの石の壁が大きく立ちはだかり、その間を抜けて向かいます。
石切り場の名残を感じつつ、異国を思わせるようなたたずまい。ここがアジアのリゾートと間違えてしまうくらいの異空間。
房州石は国内様々な場所で使われてきたそう。他の石に比べて柔らかく、整形しやすいのだとか。また防火性が高いので家具や壁、門柱など建築石材として重宝され、広く知られていたそうです。驚くべき点は全て手で切り出していたこと。
柔らかいといっても、石。さぞ職人は苦労していたのではないかと思います。
山あいの中にある深い緑と鉱物というクールな物質とが織り成す空間。百尺、10.3mの大きさのある石仏のたたずまいは、見る者の心を落ち着かせる神秘的なもの。
6年かけて建立された百尺観音は今年で50年。大きく悠然としたたたずまいに見とれます。
潮風も流れてくる関係があるのか、自然の風触でところどころ赤茶色に変化していたり緑に近いグレーになっていたり…。様々な色の変化も加わり、石仏の表情を作り出していました。
ひと目をやると、観音様のまわりや、境内で目にする鋭角な掘り跡もシャープに仕上がっていて、丁寧な仕事をしてきた職人の思いがしのばれます。
これからまた時の流れで出てくる百尺観音の変化にも注目していきたいなと素直に思います。再訪が楽しみ!
下山して車で走ると、言葉少なに漁師が黙々と作業をしていた港が。
海苔を乾かしているショット。たくさんの船。普段目にしない光景に旅へ来たのだと改めて感じます。
飛騨より合掌造の古民家を移築してカフェにした空間、カフェ・エドモンズ。
火鉢やアンティークの調度品や絵画などが多くあり、ここに来るだけでも金谷訪問の価値はあるなぁ。
お洒落でチャーミングなオーナーに地元の人も心を寄せる…。心のサロンのようです。
バレンタインが近かったので、ハート型ののこぎり山バームクーヘンとコーヒーを一杯。
産地から木樽に入れて大切に届けられたブルーマウンテンを自家焙煎。
フレンチプレスでいただくコーヒーは深みがありながらもすっきりとした味わい。
ゆったりとおだやかに流れる時の中でおもてなしの心もいただく。
不定休のようなので、やっていたらラッキー♪なお店。
「まるもに行くと面白い人が必ずいる」というキャッチフレーズがあるコワーキングスペース兼コミュニティスペース。アーティスト、若手起業家、移住者などで構成されているメンバー。おすすめの店も紹介してくれるようです。
Pizza Gonzo。鋸山の房州石を使った石釜で焼き上げるピザ! 食べてみたい…。
尚、薪は南房総から切り出した木らしい。
歩いてすぐかぢや旅館や金谷美術館があります。
かぢや温泉は創業1854年の162年も続く老舗旅館。10月から3月まで高足ガニや赤座エビなどご当地ならではの海の幸が楽しめる。金谷エリアらしく浴室の壁には房州石をふんだんにあしらわれているよう。湯質は何? 美肌効果あり?
Pizza Gonzo、まるもの間から金谷駅に向かって行く途中にある橋からすぐ海につながる景色が。海と山が接近している金谷だからこそ見える風景!
ここから歩いて金谷美術館にも行けたり、房州石を使った家々の外壁を見たりして散策するのもおすすめ。
浜金谷駅からも鋸山が一望できました。
視界を邪魔する高いビル群がないので空が広く感じる…。
竹岡駅は山間の駅。無人駅なので、出たり入ったりが自由でした。
駅近くのマルゴは磯料理と定食が評判のよう。この日は残念ながらお食事できませんでしたが、メニューが豊富なのに驚き!
近くにあるヒカリモはシーズンではなかったので見られず…残念。
このヒカリモは日本で最初に発見された地なのだそうです。春になると、水面に浮かぶ黄金色の藻。天然記念物。春はもうすぐ。待ち遠しい!
隣の神社から漁師町を見下ろす。
ザ・フィッシュ。レストランと地元のお土産が手に入る商業施設!
見波亭の「のこぎり山バームクーヘン」は、原点となる土地への恩恵を忘れずお菓子作りをしているようです。地元の食材をふんだんにつかったバームクーヘンはしっとり濃厚。ガラス張りの店頭にはお菓子作りの一部を見学できます。
他にも、菜の花のお漬物を大々的に売り出していたのが印象的。
ザ・フィッシュから外に出ると目の前には東京湾が。魚の方位時針を発見!
近くには、恋人の聖地があって、サンセットに訪れるのをおすすめしたい。これから恋人と出会う予定の女子もこの聖地のパワーにあやかって訪れてみては…?
続いて、717~772年に創建された、鶴峰八幡宮神社。
毎日掃き清められている厳かな空間。凛とした空気が流れる…。市の文化財です。
朱塗りの社が美しく、彫刻が立派で見飽きません。拝殿前には自己祓幣を。3つある大幣でもう一度身を清めてから参拝。
境内にも多く神社があり、鳥居の前にも厳島神社が。また、海上安全を祈願して錨が奉納されていました。鋸山の麓にも金谷神社があったし、ところどころ祠なども目にします。
海や山と共存している地域柄、海や山への感謝、安全祈願など海への思いが強いのが関係しているのか多く神社があるのかな。
少し遅めのお昼ご飯…割烹旅館いち川。宿泊も可能。
新鮮な刺身、鉄火丼、海鮮丼。
全て美味しいのですが、富津名物といえば、はかりめ丼!
「はかりめ」とは、穴子の別称で、穴子の体にある側線が市場や河岸で使われていた棒はかりと似ていたため「はかりめ」と呼ばれるように。甘みのあるたれにふっくらとしたはかりめとアクセントの千切りのきゅうりがマッチして美味しくいただけます。プライスもお手頃なので、手軽に海の幸を味わえます!
その後、広々とした上総湊海水浴場へ向かうと、愛嬌たっぷりの猫が。
近づくとすり寄ってくるのでちゃんとしたショットが撮れず…。漁師町だから猫が多いのかな…。
防風林を越えると目の前に貝殻が打ち上げられた浜と東京湾が広がる。
海の家も何もなく、海だけしかないのが贅沢。暖かくなったら、ずっと抜けている一直線の浜を散歩してもいいかもしれません。
創業1834年の老舗醤油店、宮醤油に。
建物のほとんどは登録有形文化財。どこを撮っても趣があり◎。
駐車場には大きい樽がふたつ。この樽でかつて、何回ともなく醤油が作られてきたのかと思うと圧倒されます。
多くのタレントの写真も店先に飾られ、この地域の名物店だと改めて感じる…。
代表商品「かずさむらさき」は昔ながらの木桶を使った天然醸造方式。南房総のだいだいを使ったポン酢も注目。はるか江戸時代に家康も自身の健康のため、だいだいをつかったポン酢を使っていたことを思い出しました。
1日の富津探索旅行もあっという間に夕刻に。佐貫町駅から、1時間に1本の電車に乗り、東京に帰るために高速バス発着の君津駅に向かいます。
ゆったりとしたスピードに身を任せつつ車窓から景色を眺めながら…。車道とはまた違った風景。田んぼが多いが、古墳を目にすることもできました。1日1回は乗ってみて欲しい。PASMOで楽々!
身も心も「うんめえ!」の富津探索の旅でした。
作 Hisaco
編 Apps Journal