歌川(安藤)広重の描いた、「不二三十六景『上総天神山海岸』の図」。

この絵はいったいどこで描かれたものなのでしょうか…?

 

富津市の中央に位置している、天羽郡は天神山地区

古事記によれば

日本武尊(ヤマトタケル)が相模から上総に渡る際、走水の海(横須賀市)の神が波を起こして倭建命の船は進退窮まった。そこで、后の弟橘媛が自ら命に替わって入水すると、波は自ずから凪いだ。

という…。

そしてその上陸した場所が、天神山海水浴場と言われていた、現在は「十宮海岸」と呼ばれているところらしいのです。

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驚くべきことに、対岸から「十宮海岸」を撮影した大正時代の写真が現代まで残っています。

おそらくこれと同じ場所であろうところから撮影すると、

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砂浜はなくなっているものの、地形がかなり一致

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対岸に渡ったところで撮影されたもう一枚の写真も…。

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石垣が残っています。

この反対側に、冒頭の浮世絵で描かれた(であろう)アングルが存在します。

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比較してみると、向こう側に見える山の形がかなり一致

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この場所から富士山は実際はもっと左に見えるのですが、浮世絵ではかなり寄せられているようです。こういう画法はよくあることだとか。

 

現在は夏でも殆ど人が来ないところで、この場所を「日本武尊」が歩いたとは、地元の人の間でも知られていません。

しかしもしこの写真から推察されることが真実ならば、これほどまでに歴史的ロマンを感じさせられるところはないのでは…?

 

歴史のロマン[富津市田舎暮らし]

 

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